こんにちは!
名古屋駅前ファースト歯科・矯正歯科 院長の竜です。
インプラント治療が決まったら、
「いつ・なにを・どうすればいいか」
を事前に知っておくことが、安心して治療に臨むための第一歩になります。
今回は、インプラント手術の前日・当日・翌日以降に気をつけるべきポイントを、わかりやすく・丁寧にまとめました。
患者さまご自身の身体を守り、治療の成功率を高めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
目次
手術前に必ず医師に伝えておくべきこと
インプラント治療は、人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込む外科手術を伴います。
安全に、そして成功率の高い治療を実現するためには、全身の健康状態を正確に把握することが不可欠です。
なぜ申告が必要なのか?
口腔内だけでなく、全身状態が治癒のスピードや感染リスクに直接影響するからです。
インプラント手術後は、体の「治る力(治癒力)」がしっかり働くことが成功の鍵になります。
まず、次のような持病や服用中の薬がある方は、必ず事前に申告してください。
申告が必要な持病・薬の例
骨粗鬆症
インプラントは、顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、それが骨としっかり結合することで初めて機能します。インプラントと骨が強く結びつくことで、噛む力に耐えられる土台ができ、長期間安定して使うことが可能になります。
しかし、骨粗鬆症をお持ちの方は、骨の密度が低下して脆くなっているため、この「骨との結合」がうまくいかないケースがあり、骨がもろい状態だと、インプラントがしっかり固定されずに動いてしまい、最終的には脱落してしまうリスクもあります。
高血圧・心疾患・肝疾患・腎疾患・喘息 など
インプラント手術では、麻酔や外科処置に対するストレスや緊張によって、一時的に血圧が急上昇することがあります。
特に高血圧や心疾患のある方は、こうした身体の反応が大きくなりやすく、術中・術後に思わぬトラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
また、出血を抑えるために使われる一部の麻酔薬には血管を収縮させる成分が含まれていますが、心臓に疾患のある方がこれらの薬を使用すると、心臓に強い負担がかかるおそれがあります。
そのため、手術を安全に行うには、患者さんの持病や服用中の薬(例:血圧の薬、抗不整脈薬、血液をサラサラにする薬など)を正確に把握し、必要に応じて麻酔の種類や量を調整したり、血圧や心拍の管理体制を整えたりすることが重要です。
手術経験やアレルギー歴
手術経験がある方へ
過去に手術を受けたことがある場合は、そのときの体調の変化や異常反応について、必ず医師にお伝えください。
特に以下のような経験がある方は、麻酔の影響に注意が必要です。
・麻酔中や麻酔後に吐き気やめまいがあった
・意識がもうろうとした、呼吸が苦しくなった
・術後の回復に時間がかかった
これらの情報をもとに、麻酔の量や種類を調整したり、安全な方法に切り替えることが可能です。
安心して治療を受けていただくためにも、少しでも気になることは事前にご相談ください。
アレルギーがある方へ
アレルギーのある方は、薬・金属・ゴム(ラテックス)などの種類に関係なく、必ず申告してください。
以下のような経験がある場合は、医師が使用する薬剤や器具を適切に選ぶための重要な情報になります。
・薬を飲んで湿疹・かゆみ・呼吸が苦しくなった
・ピアスやアクセサリーで肌がかぶれた
・ゴム手袋で手が赤くなる、かゆくなる
アレルギー反応は命に関わる場合もあるため、見逃しや自己判断は禁物です。
少しでも心当たりがある方は、必ずカウンセリング時にご申告ください。
その上で、アレルギーを起こさない薬や素材を使った安全な治療計画をご提案します。
喫煙・飲酒習慣がある方へ
喫煙されている方へ
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させて血流を悪化させるため、歯ぐきや骨の回復を著しく妨げる原因となります。
その結果、インプラントと骨がしっかり結合しにくくなり、インプラント治療の失敗率が2〜3倍に高まるという報告もあります。
また、術後の傷が治りにくくなったり、歯ぐきが炎症を起こしやすくなったりといったリスクも高まります。
そのため、手術の2週間前から禁煙を開始し、術後も治癒が安定するまで禁煙を継続することを強くおすすめしています。
一時的な禁煙であっても、治療の成功率を高める重要な要素です。
飲酒されている方へ(アルコール)
過度の飲酒は免疫力を低下させるため、術後の感染症や炎症が起こりやすくなります。
また、アルコールの摂取により肝機能が低下していると、麻酔や鎮痛薬・抗生物質などの薬がうまく代謝されず、効きすぎたり効かなかったりするリスクがあります。
さらに、アルコールには血管を広げる作用があるため、術後に出血が止まりにくくなったり、傷の治りが遅くなったりすることもあるため、こうした理由から、手術前後の飲酒は避けていただくことが非常に重要です。
特に手術前日は飲酒を控え、術後も医師の指示があるまでは禁酒を継続してください。
【手術前日】にやるべきこと
インプラント手術を安全に、そして安心して受けていただくためには、前日の準備がとても大切です。
ここでは、服装・食事・歯磨き・来院方法など、事前に整えておきたいポイントをご紹介します。
服装のポイント
手術当日はできるだけストレスなく過ごせるように、ゆったりした動きやすい服装でお越しください。
特に、静脈内鎮静法(点滴麻酔)を予定されている方は、腕に点滴の針や血圧計を装着する必要があります。そのため、半袖または袖が簡単にまくれる服が理想的です。
また、万が一に備えて、高価な服・白い服・お気に入りの服などは避けた方が安心です。手術中に、血液や消毒液がついてしまう可能性があります。
食事と水分補給
食事
当日の朝食は軽めなら摂っても問題ありません。完全な空腹だと体調を崩しやすくなるため、朝は消化のよいものを少量摂るのが理想的です。
ただし、静脈内鎮静法を受ける場合は、手術の4時間前までに食事を済ませてください。
これは、麻酔中に嘔吐などのリスクを避けるための大切なルールです。
水分補給
水分は少量ならOKですが、がぶ飲みは避けましょう。お腹が張ってしまったり、手術中に気分が悪くなったりすることがあります。
また、以下のような飲み物は控えてください
・コーヒーや紅茶などのカフェイン入り飲料
・ジュースやスポーツドリンクなどの糖分が多い飲料
・コーラやサイダーなどの炭酸飲料
体調を安定させるためにも、前日はなるべく常温の水をこまめに摂るようにしてください。
【手術翌日〜数日間】に注意すべきこと
インプラント手術後は、体が治そうとする大切な時期です。
ここでの過ごし方次第で、治りのスピードやインプラントの成功率が大きく変わることもあります。
以下のポイントを意識して、安心・安全な回復期間を過ごしましょう。
患部には絶対に触れないでください
手術後の傷口はとてもデリケートです。
つい気になって舌や指で触ってしまいたくなるかもしれませんが、絶対に触れないようにしてください。
また、頬の外側から押さえたり、引っ張ったりするのもNGです。
これらの行為は、出血や感染、インプラントのズレ・固定不良を引き起こす恐れがあります。
特に注意したいのが歯磨きです。
手術後2週間程度は、患部に歯ブラシが直接当たらないようにしましょう。
清潔を保つことは大切ですが、優しく・慎重に行ってください。
食事はやわらかく・刺激の少ないものを
インプラント手術を受けたあとは、患部にできるだけ負担をかけず、炎症や出血を悪化させないよう、食べるものや食べ方に十分な注意が必要です。
まず、食事はやわらかく消化のよいものを選びましょう。おかゆや煮込みうどん、スープ、柔らかく煮た野菜など、噛む力をほとんど使わずに食べられるものがおすすめです。
一方で、辛い・熱い・酸っぱいなど刺激の強い食べ物は、患部を刺激して痛みや炎症を引き起こす原因になります。お餅・ガム・せんべいなどの粘着性や硬さのある食品も、インプラント部分に不要な力がかかるため、数日間は控えましょう。
歯磨きは「優しく・いつも通り」が基本
「手術後は歯磨きを控えた方がいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、実は手術後こそ、いつも以上にお口の中を清潔に保つことがとても大切です。
お口の中が不衛生な状態だと、感染のリスクが高まり、せっかくの治療がうまくいかなくなる可能性もあります。
とはいえ、注意点もあります。
手術部位には絶対に触れないようにしながら、まわりの歯を丁寧にケアすることがポイントです。
歯ブラシは毛先のやわらかいタイプを使い、歯ぐきをゴシゴシこすらず、やさしく磨きましょう。
力を入れすぎると出血や痛みの原因になりますので、鏡で確認しながら、慎重にお掃除してください。
【術後の通院・来院時】に注意すべきこと
手術の翌日や数日後には、経過観察や消毒のために通院していただく場合があります。
その際の来院方法にも注意が必要です。
静脈内鎮静法を受けた方は特にご注意を
静脈内鎮静法を受けた方へ:術後の移動にはご注意を
静脈内鎮静法を使った場合、手術後しばらくのあいだは判断力や反射神経が鈍くなることがあります。
ご自身では「大丈夫」と感じていても、ふらつきや注意力の低下が起こることがあるため、以下の点にご注意ください。
・車・バイク・自転車の運転は絶対に避けてください。
・できるだけ、ご家族やご友人の送迎をお願いするのが安心です。
・電車やバスなどの公共交通機関の利用もおすすめです。
・徒歩での来院も、体調に不安がある方は付き添いをつけていただくとより安全です。
無理のない方法で、安全に通院しましょう。体調がすぐれない場合は、事前に医院にご相談ください。
処方された薬は正しく飲みましょう
インプラント手術のあとは、感染の予防や痛み・腫れのコントロールのために、医師から抗生物質や鎮痛薬などのお薬が処方されます。
これらの薬は、術後の経過を左右する大切な役割を担っています。
服用の際は、以下の点に注意してください。
処方された薬は、必ず医師の指示通りに服用する
薬の種類や量、服用のタイミングには意味があります。
たとえ症状が落ち着いてきたとしても、自己判断で量を減らしたり、途中で服用をやめたりしないようにしてください。感染や炎症が再発し、回復が遅れる原因になることがあります。
抗生物質は「飲み切る」のが基本
抗生物質は、体内の細菌を完全に抑えるために一定期間飲み続ける必要があります
数日間で痛みが軽くなったとしても、体内に細菌が残っている場合があるため、処方された分は必ず最後まで飲み切るようにしましょう。
薬による副作用にも注意を
薬を服用したあと、体質によって合わない場合もあり、以下のような症状が出た場合は副作用の可能性があります。
・湿疹やかゆみ、じんましん
・吐き気、嘔吐、食欲不振
・強い眠気やだるさ
・呼吸が苦しい、顔が赤く腫れる(※アレルギー反応の疑い)
こうした異変を感じた場合は、すぐに薬の服用を中止し、医院にご連絡ください。状態によっては、薬を変更したり、必要な対応を行います。
まとめ
インプラント治療は、見た目や噛む機能を回復させる素晴らしい選択肢ですが、「外科手術」である以上、事前の準備や術後の過ごし方がとても重要です。
安全に、そして確実に治療を成功に導くためには、患者さまご自身のご協力が欠かせません。
特に大切なのは、
・持病や服用中のお薬、過去の手術歴やアレルギーの有無などを、事前に正しく申告すること
・手術前日の準備(服装・食事・体調管理)を丁寧に行うこと
・手術後の数日間、体をしっかり休め、患部に余計な刺激を与えないよう注意すること
・処方されたお薬は、必ず医師の指示通りに服用すること
・体に異常を感じたら、自己判断せず、すぐに歯科医院に連絡すること
こうした一つひとつの心がけが、インプラントの安定と長期的な成功に直結します。
インプラントは、正しい知識と適切なケアがあれば、10年、20年と長く使える治療法です。
そのためにも、術前・術後の注意点をしっかり理解し、無理のない範囲でできることを続けていきましょう。
ご不安な点やご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
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