こんにちは。
名古屋駅前ファースト歯科・矯正歯科、院長の竜です。
インプラント治療を検討していると、「骨が足りないのでサイナスリフトが必要です」と言われることがあります。
突然「サイナスリフト」と聞いても、どんな手術なのか、痛みや腫れがどのくらい続くのか不安になりますよね。
サイナスリフトとは、上あごの骨が薄くてインプラントが埋められない場合に行う“骨を増やす手術”のことです。
この記事では、サイナスリフトが必要な人の特徴や、治療の流れ・費用・術後の注意点までわかりやすく解説します。
「骨が足りないと言われたけど、治療できるのかな?」と不安な方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. サイナスリフトとは?
「骨が足りない」と言われた人のための手術

サイナスリフトとは、上顎の骨の厚みが足りずインプラントを埋め込めない場合に行う「骨を増やす手術」です。
特に上の奥歯のあたりは「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があるため、骨が薄いケースが多く、サイナスリフトが必要になります。
インプラント治療を可能にするための前準備
骨の厚みを増やすことで、長さのあるインプラントをしっかり固定できる環境を作ります。
「骨が薄いから無理」と言われた方でも、この治療を行えばインプラントが可能になることがあります。
2. サイナスリフトが必要な人の特徴
骨の厚みが3〜5mm以下
インプラントを埋め込むには、最低でも約7mmほどの骨の厚みが必要です。
CT撮影で確認した際に、上顎洞までの距離が3〜5mm以下だと、サイナスリフトが勧められます。
奥歯を抜いて長期間放置している

奥歯がない状態が続くと、噛む刺激がなくなり、歯を支えていた骨が自然に吸収されて薄くなる傾向があります。
これを「廃用性萎縮」といい、長期間放置した方ほど骨が減ってしまうのです。
「骨が薄い」と他院で断られた方も再検討を
一般的な歯科医院ではサイナスリフトを行えない場合もあります。
しかし、サイナスリフトに対応できる歯科医院なら治療の可能性が広がります。
一度「骨が足りない」と言われた方も、セカンドオピニオンをおすすめします。
3. サイナスリフトの治療の流れ
ステップ①:カウンセリングと精密検査
まずCTやレントゲンで上顎の骨の厚みを測定します。
この時点で骨量が不足していれば、サイナスリフトを併用したインプラント計画を立てます。
ステップ②:サイナスリフト手術
局所麻酔を行い、歯ぐきの側面からアプローチします。
上顎洞の粘膜を慎重に持ち上げて、その空間に人工骨や自家骨を充填。
骨が再生するまでの“土台”を作ります。
ステップ③:骨の安定を待ってインプラント埋入
3〜6ヶ月ほど骨が再生するのを待ち、十分な厚みが確認できたらインプラントを埋め込みます。
その後、定期的なメンテナンスで骨とインプラントの結合を維持していきます。
4. サイナスリフト後に起こりやすい症状
腫れのピークは術後2〜3日
サイナスリフト後は、頬や鼻の横が3日〜1週間ほど腫れるのが一般的です。
時間とともに落ち着き、ほとんどの場合は1週間以内に回復します。
鼻血・内出血が出ることもある

手術後は、上顎洞付近に刺激が加わるため、鼻を強くかむと鼻血が出ることがあります。
これは一時的なもので、安静にしていれば問題ありません。
痛みが強い・腫れが長引く場合は早めに相談を
腫れや痛みが1週間以上続く場合、細菌感染や炎症の可能性もあります。
自己判断せず、必ず歯科医に相談しましょう。
5. サイナスリフトの費用相場
治療費は20万〜40万円が目安
サイナスリフトの費用は、1部位あたり20〜40万円程度が一般的です。
自由診療のため、保険は適用されず、歯科医院によって金額も違ってきます。
費用が高くなる理由
使用する人工骨の価格、手術に必要な技術力、手術時間などが関係しています。
また、骨の厚みや範囲によっても金額は変動します。
費用を抑えるポイント
サイナスリフトの費用は、治療の進め方や使用する材料、医院の設備環境によって大きく変わります。
事前に以下の3つを確認しておくと、無理のない治療計画が立てやすくなります。
1. 使用する人工骨の種類
人工骨には、自家骨(自分の骨)・他家骨・合成骨などの種類があります。
どの素材を使うかによって、費用だけでなく、治癒スピードや腫れの出方も異なるため、希望や予算に合わせて相談するのが安心です。
2. 医院の設備や担当医の経験
サイナスリフトは高度な技術を要する外科処置です。
経験豊富なドクターが在籍し、CTや感染対策設備が整った医院では、トラブルのリスクを抑えた治療が期待できます。
料金だけで選ばず、安全性とのバランスを意識することが大切です。
6. サイナスリフトの注意点
上顎洞炎のリスク
手術時に粘膜を損傷すると、上顎洞内で炎症(上顎洞炎)を起こす可能性があります。
黄色い鼻水や頬の違和感を感じたら早めに受診を。
術後の生活で気をつけたいこと
1. 強く鼻をかまない — まずは「やさしく」が鉄則

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いつまで?:術後少なくとも1〜2週間は強く鼻をかまない(粘膜の固定が安定するまで)。
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やり方:どうしても鼻が詰まるときは、片方ずつ軽く押さえて優しく少しだけかむ。強くフンッとやるのはNG。
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代替策:生理食塩水の鼻スプレーや蒸気吸入で鼻腔内を潤すと楽になります(医師に許可を取ってから使用)。
2. 飛行機やダイビングは避ける — 圧力変化に注意

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なぜ避ける?:機内や潜水時の気圧変化で上顎洞(副鼻腔)に負担がかかり、骨補填材のずれや出血・激しい痛みを招く恐れがあります。
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目安:術後少なくとも1〜2週間は避けるのが一般的。ただし、処置の程度や術後の回復によってはもっと長く制限されることがあります。旅行予定がある場合は手術前に必ず相談を。
3. 十分な睡眠と栄養をとる — 免疫力が回復のカギ

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睡眠:術後の免疫・組織再生は睡眠中に進みます。毎晩7時間以上の良質な睡眠を目指しましょう。枕を少し高めにして腫れを軽減するのも有効です。
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栄養:たんぱく質(魚・肉・大豆製品)、ビタミンC(果物・野菜)、亜鉛などのミネラルをバランスよく摂ると回復が早まります。辛い・熱い刺激物は避けて。
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水分補給:脱水は治癒を遅らせるため、こまめな水分補給を心がけてください。
4. 禁煙・飲酒は控える — 回復を妨げる最大要因

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禁煙:喫煙は血流を悪化させ、骨や粘膜の治癒を遅らせます。術後少なくとも2週間は禁煙するのが望ましい(理想は完全禁煙)。
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飲酒:アルコールは出血・腫れ・薬の代謝に影響するため、術後数日〜1週間は控えるのが安全です。
5. 力仕事や激しい運動は控える — 術部への負担を避ける

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期間の目安:術後少なくとも1週間は重い荷物を持つ・高強度運動を避ける。ぶり返しの出血や腫れを招くことがあります。
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日常動作:重いくしゃみや腹圧のかかる動作(力む、激しい咳)は避ける。便秘にならないよう食物繊維と水分も意識して。
6. 口腔ケアはやさしく、でもきちんと清掃する

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ブラッシング:術部付近は最初の数日は触れないようにし、周辺は柔らかい歯ブラシで優しく清掃。担当医の指示でうがいや消毒を行います。
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うがい:強いうがいは避け、処方されたマウスウォッシュやぬるま湯で軽くゆすぐ程度に。
7. 処方薬を正しく使う・異常は早めに相談

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鎮痛薬・抗生物質は指示通りに最後まで服用。痛みや腫れが強い、黄色い鼻汁、発熱などの異常症状があればすぐに歯科医院へ連絡を。
腫れ・内出血を考慮したスケジュールを
術後2〜3日は顔の腫れが出やすいため、大事な予定やイベントは1〜2週間後以降に設定しておくと安心です。
7. サイナスリフトのメリットとデメリット
メリット
骨が薄くてもインプラント治療が可能に
上顎の骨が薄く、「インプラントができない」と言われていた方でも、サイナスリフトで人工的に骨を増やすことで治療が可能になります。
これまで入れ歯やブリッジしか選べなかったケースでも、自分の歯のようにしっかり噛める治療の選択肢が広がるのが最大の利点です。
複数本のインプラントにも対応できる
骨量が十分に確保できれば、1本だけでなく奥歯の連続した部位へのインプラント埋入も可能になります。
これにより、部分入れ歯のような違和感やズレを感じにくく、自然な噛み心地を再現できるのが大きな魅力です。
特に、左右両側の上顎に骨が薄い方にとっては、口全体の噛む力を回復できる手段となります。
デメリット
治療期間が長くなる傾向がある
サイナスリフトで入れた人工骨が自分の骨としっかり結合するまでには、およそ3〜6ヶ月程度の治癒期間が必要です。
骨の安定を待ってからインプラント埋入を行うため、全体で半年〜1年ほどかかることもあります。
一見長く感じますが、確実に骨を作って安全に治療を進めるための大切な時間です。
追加費用がかかる
インプラント本体の費用に加えて、サイナスリフトには骨補填材や手術時間、専門技術料が必要となります。
一般的な相場は1部位あたり20〜40万円前後。
ただし、同時に複数本のインプラントを行う場合や、片側のみの処置で済む場合は全体の費用を抑えられるケースもあります。
事前に「費用の内訳」や「見積もり方法」を確認しておくと安心です。
8. サイナスリフトが向いていないケース
副鼻腔炎などを繰り返す方
慢性的な副鼻腔炎(蓄膿症)を繰り返している場合は、上顎洞内の炎症リスクが高くなるため、サイナスリフトの適応外となることがあります。
サイナスリフトは上顎洞のすぐ下で行うため、手術後に炎症が再発しやすい環境だと、骨造成がうまく進まないことがあるからです。
もし過去に副鼻腔炎の既往がある場合は、耳鼻咽喉科での診断や治療の完了を確認してからインプラント治療を検討するのが安心です。
状態によっては、歯科と耳鼻科が連携しながら治療を進めるケースもあります。
糖尿病や免疫疾患がある方
糖尿病や免疫疾患がある場合、傷の治りが遅くなる・感染リスクが高まるといった点から、サイナスリフトを行う際には慎重な判断が求められます。
特に血糖コントロールが不安定な方では、骨がうまく再生しない・炎症が長引くなどのリスクがあります。
そのため、インプラント治療を希望する際は、必ず主治医と歯科医の連携が必要です。
糖尿病があっても、数値が安定していれば治療できる場合もあるため、まずは担当医と相談し、全身の状態を整えてから治療を検討しましょう。
9. サイナスリフトで「できない」を「できる」に
サイナスリフトは、骨が足りないことで諦めていた方にもインプラントの可能性を広げる手術です。
ただし、腫れ・費用・期間なども含めてしっかり理解することが大切です。
「インプラントは無理」と言われた方も、サイナスリフトに対応できる歯科医院で再相談してみましょう。
治療の選択肢が増えることで、あなたに合った方法が見つかるはずです。
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