インプラントのメンテナンスとは？重要性やセルフケア方法を詳しく解説

こんにちは。

名古屋駅前ファースト歯科・矯正歯科、院長の竜です。

 

インプラントは、失った歯を補う治療法の中でも「しっかり噛める」「見た目が自然」「違和感が少ない」といったメリットがあり、多くの方に選ばれています。

 

しかし、インプラントは入れたら終わりの治療ではありません。

長く快適に使い続けるためには、定期的なメンテナンスと日々のセルフケアが欠かせない治療です。

 

この記事では、

• インプラントのメンテナンスがなぜ重要なのか

• メンテナンスでは具体的に何をするのか

• 適切な通院頻度や費用の目安

• 自宅でできるセルフケアのポイント

について、できるだけ詳しく解説します。

 

インプラントのメンテナンスの重要性

 

インプラントを埋入した後は、定期的なメンテナンスが必須です。

その最大の理由が「インプラント周囲炎」というトラブルを防ぐためです。

インプラントは人工歯根なので虫歯にはなりませんが、歯茎や骨は天然歯と同じように細菌の影響を受けます。

メンテナンスを怠ると、気づかないうちに炎症が進行し、最悪の場合インプラントが使えなくなることもあります。

また、定期的なメンテナンスを受けていれば、

• インプラント周囲炎の早期発見・予防

• 他の歯の虫歯や歯周病のチェック

• 噛み合わせの変化の確認

 

など、お口全体の健康管理にもつながります。

さらに、多くのケースでインプラントのメーカー保証の条件として、定期メンテナンスが求められます。

 

インプラント周囲炎とは？

 

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲にある歯茎や歯槽骨が歯周病菌に感染する病気です。

天然歯でいう「歯周病」にあたるものと考えると分かりやすいでしょう。

 

主な症状

• 歯茎の腫れ

• 歯茎からの出血

• 違和感や軽い痛み

• 膿が出ることもある

進行すると、インプラントを支えている骨が溶けてしまい、インプラントがグラつく・抜け落ちるといった深刻な状態になります。

 

インプラントは天然歯よりも細菌に対する防御機構が弱いため、進行が早いのが特徴です。

しかも初期段階では自覚症状が少ないため、「気づいたときには重症化していた」というケースも珍しくありません。

 

だからこそ、定期的なメンテナンスによる予防と早期発見が非常に重要なのです。

 

インプラントのメーカー保証とは？

多くのインプラントには、メーカーによる保証制度が設けられています。

 

これは、「正しく使用していたにもかかわらず、インプラント自体に不具合が生じた場合、無償で代替品と交換できる」という制度です。

 

保証期間の目安

• 一般的に 5〜10年程度

ただし、ほとんどの場合で「歯科医院で定期的なメンテナンスを受けていること」が保証適用の条件になっています。

 

メンテナンスを受けていないと、保証対象外になる可能性があるため注意が必要です。

 

インプラントのメンテナンスでは何をする？

歯科医院で行うインプラントのメンテナンスでは、主に次の3つを行います。

 

口内の状態確認

 

まずは、お口の中の状態を細かくチェックします。

主に確認する項目は以下のとおりです。

• インプラントの動揺（グラつき）の有無

• 歯周ポケットの深さ

• 歯茎の炎症・出血の有無

• 歯ぎしり・食いしばりの有無

• 噛み合わせの状態

• 天然歯の虫歯・歯周病の有無

必要に応じて、レントゲン撮影を行い、顎の骨の状態を確認することもあります。

 

クリーニング（専門的清掃）

 

ご自宅の歯磨きでは落としきれない、

• 歯石

• バイオフィルム（細菌の膜）

を、専用の器具で除去します。

歯石は歯周病菌が繁殖しやすく、インプラント周囲炎の大きな原因になります。

一度歯石になると、歯ブラシでは除去できないため、定期的なプロのクリーニングが不可欠です。

 

歯磨き指導

インプラントを長持ちさせるためには、毎日のセルフケアの質が非常に重要です。

 

メンテナンスでは、

• 歯ブラシの当て方

• 磨き残しが出やすい部位

• 歯間ブラシやフロスの使い方

などを、歯科衛生士が一人ひとりのお口の状態に合わせて指導します。

 

メンテナンスは頻度はどれくらいの？

一般的な目安は、年に2〜4回（3〜6か月に1回）です。

ただし、以下のような場合は、より短い間隔が推奨されることもあります。

• 歯周病の既往がある

• 歯ぎしり・食いしばりが強い

• インプラント本数が多い

最適な頻度は歯科医師が判断しますので、指示された間隔で必ず受診しましょう。

 

インプラントのメンテナンス費用

 

インプラントのメンテナンス費用は、1回あたり約3,000〜5,000円程度が一般的です。

※インプラント治療は自費診療のため、歯科医院によって異なります。

 

費用が変動する要因

• レントゲン撮影の有無

• クリーニングの内容

• メンテナンスにかかる時間

一見高く感じるかもしれませんが、天然歯でも定期検診やクリーニングほとんど同額が必要です。

お口全体の健康を守るための必要な投資と考えていただければと思います。

 

自宅でできるインプラントのセルフケア方法

インプラントを長持ちさせるには、歯科医院でのメンテナンス＋毎日のセルフケアが重要です。

 

歯磨きを丁寧に行う

• 「やわらかめ」または「ふつう」の歯ブラシを使用

• インプラントと歯茎の境目を意識して磨く

• 上部構造（被せ物）もしっかり清掃

 

かための歯ブラシは、歯茎やインプラントを傷つける原因になるため避けましょう。

インプラント周囲は形状が複雑なため、ワンタフトブラシの併用も効果的です。

 

研磨剤が含まれていない歯磨き粉を使用する

研磨剤入りの歯磨き粉は、インプラントの表面に細かな傷をつける可能性があります。

• 低研磨性

• 研磨剤無配合

の歯磨き粉を選びましょう。

フッ素入りの歯磨き粉は、天然歯の虫歯予防に有効なので問題なく使用できます。

 

歯間ブラシやデンタルフロスを使用する

歯ブラシだけでは、約60％程度の汚れしか落とせないといわれています。

歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、除去率は80％程度まで向上します。

正しい使い方は、歯科医院で指導を受けるのがおすすめです。

 

まとめ｜インプラントを長く使うために大切なこと

インプラントは、適切なケアを行えば10年、20年以上と長く使い続けることができる治療です。

 

そのために大切なのは、

• 定期的な歯科医院でのメンテナンス

• 毎日の丁寧なセルフケア

この2つを欠かさないことです。

 

インプラント周囲炎は、放置するとインプラントを失う原因になりますが、予防と早期発見ができれば防げる病気です。

 

インプラント治療後は、必ずメンテナンスを受け、健康なお口の状態を維持していきましょう。

 

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